探究日記

20代前半の若者が日々感じ取ったことを綴ります。

妄想に耽った午後のひと時

 東京から帰宅した。夜行バスでの帰宅だったので、寝てはいるが疲れが取れていない。そのため、5時間ほど横になった。夜行バスは安いのは良いが、翌日がほとんど何もできなくなってしまうので、新幹線とどちらがコスパが良いのか、わからなくなることがよくある。

 起きたらお腹が空いていたので、行きつけのガストに行った。ガストは夕方の5時までランチをやっているので、焦っていく必要はなかった。昨日までの東京生活を思い返しながら、ゆっくりと身支度をした。服装は何も変わっていないが、なんだか少しオシャレになった気がした。

 ガストに着いたのは3時ごろだった。時間も時間だったのでほとんど人はいなかった。平日のお昼はいつも同じおじさんが接客してくれる。席についていつもの日替わりランチを頼もうとベルを押すと、「いつもありがとうございます。」と言って、注文を受けてくれる。ガストの方も僕を常連とみなしているようだ。

 お昼ご飯をかき込むように食べ終え、読書に耽った。ヘルマンヘッセの「知と愛」を170ページまで読み進めた。ヘッセの作品には共感できることが多く、夢中になって読み進めてしまう。すでに、翻訳されているもので読んでいないのは、「メルヒェン」くらいだろうか。この半年の間にヘッセの文章には本当にたくさん救われた。

 そのあと、東京での経験を小説という形でまとめてみた。柄にもないことをやってみたので、少しぎこちない文章になったが、経験を美しい思い出として結晶化できた気がして、少し満足感を覚えた。このまま小説家という職業について、毎日ガストで執筆して、家に帰ったら美しい妻がいて、愛を語り、経験を積み、小説に深みが加わり、、なんて妄想に耽った。

 夜が更けてきたので、家に帰った。コンビニでご飯を買ってきた。最近はコンビニで買える肉じゃがとおでんをよく食べている。コンビニで気軽になんでも買えちゃう時代になったのだと、改めて思った。これも僕のあまり好きではない資本主義の恩恵だと思うと少し複雑な気持ちになった。明らかに便利になった社会から恩恵を受けているが、その社会を少し軽蔑している。全く、人間とは矛盾した生き物だ